2014年3月5日水曜日

【超訳】 瞑想が脳の構造を変える理由 (Part2)


この記事は、 Kelly McGonigal 氏による、"Your Brain on Meditation" の一部を和訳したものです。皆さまの日々の瞑想やセルフアウエアネスの向上にお役立て下さい。

Part1 はこちらからご覧いただけます。



ストレスを軽減させる (Reduce Your Stress)

研究結果は、人々の鬱状態や精神疾患から回復するのに瞑想が役立つことを教えてくれます。スタンフォード大学で脳神経科学プロジェクトのディレクターを努める Philippe Goldin氏は、研究にマインドフルネス瞑想を利用しています。聞こえてくる音、呼吸や体の感覚、思考や感情を意識し、シンプルにこれを観察することで「今この瞬間」に神経を置くようにするものです。
Goldin の研究は人々を心配事や自己否定、そしてストレス、さらにはパニックから解放することが目的です。しかし精神的な疾患を持つ人々は、こういった状態から脱することが難しいのが現状で、つねに思考や感情で頭を支配された状態になっています。Goldin氏の調査結果によると、マインドフルネス瞑想は人々をこれらの感覚から自由になることを助けます。ネガティブな思考による脳の反応に変化を起こすのです。
彼の研究で、参加者はストレス軽減のための瞑想コースを8週間続けました。週に一度集まり、自分に与えられた瞑想の訓練を1時間ほど行います。トレーニングは、マインドフルネス瞑想や歩く瞑想、軽いヨガや身体に意識を向けたリラクゼーションと共に、マインドフルネスに関するディスカッションを行いました。

これを実施する前後の脳をMRIで測定し、どの脳の個所が瞑想の時に最も活性化するか、或いはしないかを検証しました。皮肉なことに、最も穏やかな人であってもMRIの中では不安を象徴する脳の状態が確認されました。これは、身体が機械の中で固定される不自然な体勢に違和感を覚えていたからなのでしょう。次に、彼らは機械の中でスクリーンに映される言葉を確認します。時にはポジティブな言葉が映されますが、「このままだと自分は駄目だ」、「私は変だ」のような気分を害する、不安を掻き立てるようなものも出てきます。

Goldin氏の研究では驚くべきパターンが確認されました。8週間の瞑想の結果、参加者の脳はネガティブな言葉に、より敏感なっていたのです。しかし一方で扁桃体(へんとうたい:ストレスや苦悩と最も関係する個所)の活動は瞑想後には沈下していました。何よりも、参加者の苦しみは軽減していました。「彼らは、不安や心配ごとから解放されたと言っていました」とGoldin氏は話します。「自分自身を卑下することをやめ、そして自信を取り戻していました」。

この調査を通じてGoldin氏は、マインドフルネス瞑想が人々を不安や苦悩をうまくハンドルできるように助けるものだと解釈しています。多くの場合、私たちはこういった気持を脇に追いやるか、或いはそれに振り回され、結果としてこの感情に支配されてしまいます。「瞑想の目的は、こういった感情を排除することではありません。立ち往生することなく、乗り越えるためにあるのです」。脳をスキャンした結果が教えてくれるのは、ネガティブな感情が自分に存在していることを認識しつつも、それに過敏に反応しない状態になる、というものでした。その他のラボにおける調査結果でも、瞑想は脳の構造を良い状態に変容させる効果があると結論づけています。例えば、マサチューセッツ総合病院とハーバード大学の研究では、26人のストレス過多な患者を8週間のマインドフルネス瞑想コースに参加させました。このコースを受講する前に脳のスキャンがとられ、ストレスに対する個人のインタビューも行われてました。「ストレスが軽減した」と話した患者は、扁桃体における灰白質が低くなっていたのです。最近の研究では、トラウマ的な体験をすると、扁桃体とその他の脳の領域に強い連携と活性化が起こり、より大きなストレスや苦悩につながることを指摘しています。


思いやりの心を養う (Feel More Compassionate)

人の気質は生まれ持ったもので、変化しないと私たちは考えがちです。しかし研究結果は、そういった考え方を覆します。私たちが思いやりの気持ちを育て、高める方法があるのだということを教えてくれているのです。研究者たちは、他人とのつながりを感じるスキルは学習し高めることができると考えています。「瞑想という手法によって、他者への思いやりを高めることができるのだと科学的に証明したいのです。瞑想によって人の脳と行動が変われるのだということを…」とLutz は言います。

では、思いやりというものは脳の中でどうなっているのでしょう?Lutzと彼の仲間たちは瞑想者を2つのグループに分けて調査しました。一方のグループは思いやりの瞑想に長けているもの、そしてもう一方はそうではないグループです。この両者に、自分が愛らしいと感じる相手を思い浮かべ、そういったマインドの状態を作るように。そしてその感覚を広げてやがては対象を特定せずに慈愛と思いやりの感覚を持つように指示しました。それぞれの瞑想者がこれに集中する間、赤ちゃんをあやす母親の声や女性の悲鳴など、不規則な人間の声を聞かされました。気遣いや心配の感覚を掻き立てるような音です。

瞑想者は誰もがこれらの音に反応を示しました。脳の中で物理的な感覚を処理する場所(特に音に反応する部分)、そして感情的な反応に深く関連する場所に活性化が見られました。また、この脳の反応と共に心臓の鼓動も早くなりました。そして、思いやりの瞑想に長けている人々のほうが、活性化が顕著であったといいます。
心理学教授のBarbara Fredricksonは、複数の大学と共に 愛と優しさに関連した瞑想を行う7週間のコースを開催しました。これによって、参加者の多くが喜びや感謝の気持ち、そして希望の感覚を以前よりも感じることができるようになり、瞑想を日常化することで より気持が安定したと言います。さらには、自己肯定感や社会からのサポートを受けている感覚、そして人生の目的や充実感を得ることが出来、鬱的な症状が改善されたことが報告されています。


自分の中で変化を起こす (Commit to Change)

瞑想の効果が証明されると、次に頭に浮かぶ疑問は「どの程度が最も効果的なのだろうか?」ということでしょう。或いは、最も少ない時間でどれだけ効果を得ることができるのか… という疑問です。

研究者たちの多くは、その効果はすぐに現れると言います。Ludersは、「脳の変容は、その学習を始めた初期段階で起こる」と言います。そして調査結果では、少なくとも数週間で効果を得られているケースがほとんどです。しかし、同時に経験の積み重ねが重要であるという結論もあります。始めることも重要ですが、新しい習慣を自分のものとするための継続も、また不可欠なのです。
Ludersが瞑想を始めた頃は、経験のある瞑想者たちが近くに居たことで継続が可能であったと言います。「始めるのに遅すぎる事はありません」。彼女は無理をせずに少しずつ始めることを奨励しています。「10~90分の瞑想をやりますが、まずは10分から始めるが理想です」。
もし、あなたが瞑想を始めたなら科学を超えた領域で瞑想の効果があることを実感するでしょう。科学がこの領域に追いつくのには時間がかかるのです。そして、どんなに脳科学の分野で研究が進んだとしても、経験でしか得られないものがあります。幸運なことに、瞑想するのには何も準備は要りません。ただ座り、肉体、呼吸、マインドを感じれば良いだけなのですから。

訓練する (Practice)

愛と思いやりの瞑想 by Kate Vogt
まず、自分が誰にも邪魔をされない環境で 心地よく座りましょう。3~5つ、静かな呼吸をします。そしてやさしく目を閉じましょう。
それでは、地平線から太陽が昇ってくるのを感じます。太陽はあなたの胸を照らし、そしてあなたの肉体の中心、心臓と共鳴します。この太陽の温かな光に照らされ、あなたの身体は溶けてゆきます。その感覚とともに、肩や喉のあたりの緊張がほぐれてゆくのを感じましょう。額の力を抜き、自分の内側に意識を向けてゆきます。それでは、7~10回、スムーズでやわらかい呼吸をしてみましょう。
息を吸う時には、自分の心臓から光が身体の輪郭に向かって放射されるのをイメージ。そして、息を吐く時には その満ちた光が引いてゆくのを感じます。では、また穏やかな呼吸を10回行います。吸う時、心臓から満ちる光があなたが人や物に触れる時に利用する場所に集中するのをイメージします ――― 目や耳、声を奏でる喉、あなたの手のひら、そして足の裏です。息を吐く時には、あなたの中にある光がより美しく、そしてクリアになるようにイメージします。そして、「私は幸福な人々に祝福を… そして苦しめる人々には思いやりを。そして心の平穏を全ての人々にもたらします」と心の中でつぶやきましょう。自分の中で何か変化を感じるまで、これを続けます。そして、その後は、数分間静かに座りましょう。
終わったと感じたら、合掌をして一礼します。そして、手を腿において頭を上げましょう。最後にゆっくり目を開け、こちらの世界に戻りましょう。 


マインドフルネス瞑想 by Frank Jude Boccio


マインドフルネスには集中力が必要ですが、ここでは物体にフォーカスを当てるのではなく この瞬間、今この場所というものに意識を向けていきます。 
まずはじめに、心地の良い姿勢で座りましょう。そして呼吸をしながら意識をおへそのあたりに向け、意識がお腹のあたりで上がったり降りたりするのを感じます。これによって、意識は肉体へと向くことが可能となります。落ち着いてきたら、次に意識を身体全体へと広げていきましょう。そして、自分の中にある思考や感情を観察します。 
自分が山になったようなイメージを持ちます。嵐のような、そして雷を伴う感情もあるかもしれません。或いは、霧や闇、厚い雲で覆われているかもしれません。息を吸う時には「山」と意識し、吐く時には「揺るがない」と意識します。呼吸をしながら今の状態に意識を向けていきましょう。もし、感情や思考に意識をもっていかれそうになったら、「山」を思い出してゆっくりと意識を戻します。ポイントは、変化し続ける思考を観察することです。何が出てくるのかは問題ではありません。次第に、それらは単なる思考であることに気付き始めることでしょう。すると、これらの思考は力を持たなくなります。あなたは、自分の思考を信じなくなるのです!それでは、5分~20分間、自分の思考をただ観察し続けましょう。


(終わり)
※ バランストグロースでは、定期的に ビジネスマンのための瞑想レッスンを行っております。ご興味のある方はこちらで日程を確認ください(訳:小島美佳)

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